目次
Windows で GNU Emacs をセットアップする(org-modeまで)
GNU Emacs を入手する
http://core.ring.gr.jp/pub/GNU/emacs/windows で最新版を入手できる.約45MB程度.
GNU Emacs をインストールする
ダウンロードした圧縮ファイルを展開し,適当な場所にインストール(ペースト)する.半角空白のあるファイルパスを利用すると後々面倒なため,C:\ がオススメ.
C:\Emacs\bin\runemacs.exe
を Emacs の起動に利用する.エイリアス(ショートカット)をデスクトップに貼り付けておく.起動すると,とりあえずこんな感じ.
環境変数を設定する
いわゆる ~/ を設定する.環境変数で指定しない場合,Emacs をインストールしたパスが使われる(C:\Emacs\bin)
- 「スタート」ー「コントロールパネル」ー「システム」を選択.
- 「詳細設定」タブー「環境変数」を選択.
- ユーザの環境変数に,以下を追加する.
変数名 = HOME 変数値 = C:\Users\hoge
これは,C:\ 以下に Users/hoge なるディレクトリを準備している場合.
この状態で Emacs を起動すると,C:/Users/taka/.emacs.d/ が無いと怒られる.スラッシュとバックスラッシュの違いに注意.
Emacs の環境を整える(.emacs やロードパスを設定)
- フォルダオプションでの詳細設定で「ファイルとフォルダの表示」ー「すべてのファイルとフォルダを表示する」を選択.
- .emacs と .emacs.d/ をユーザの環境変数で指定したパスに配置する.
- 今後,さまざまな elisp をインストールするためのディレクトリを準備する.
例えば,C:\Users\env\emacs のようなディレクトリを作成しておく.
これにより,システムに elisp をインストールするのではなく,ローカルユーザが自由にファイル入手して Emacs を便利に使うことができる.
.emacs で load-path を設定
(setq load-path (append '("~/.emacs.d/" ; 自作の lisp や init.el などを入れる "~/env/emacs" ; auto-install で外部から取り寄せた lisp の保存先 "~/env/emacs/org-mode/lisp" ) load-path))
最新版の org-mode を入手する
GNU Emacs 23 には標準で org-mode がインストールされている.M-x org-mode でモードを変更でき,M-x org-version で org-mode のバージョンを確認できる.最新の org-mode は別途入手してインストールする必要がある.
ダウンロードする場合
公式サイトから zip ファイルをダウンロードし,展開.ロードパス上に配置する.例えば,
C:\Users\hoge\env\emacs\org-7.5
この場合,.emacs の load-path は,
"~/env/emacs/org-7.5/lisp"
とする.
GIT版を使う場合
まず git を使うために,msysgit をインストールする.
http://code.google.com/p/msysgit/downloads/list
「スタート」ー「Program Files」ー「Git」ー「Git bash」を起動して,以下のように順番に処理する.
起動すると,hoge@win /c/Documents and Settings/hoge のようなパスから始まる.
1. cd /c/Users/hoge/env/emacs 2. git clone git://orgmode.org/org-mode.git
入手が完了すると,org-mode というディレクトリができあがる.
この場合,.emacs の load-path は,
"~/env/emacs/org-mode/lisp"
とする.
org-mode を使う
.emacs に次を追加する.
(require 'org-install) (add-to-list 'auto-mode-alist '("\\.org\\'" . org-mode))
この状態で M-x org-version でインストールした org-mode のバージョンが表示されれば最新版を使えている.
Org-mode をコンパイルする
前節までの説明で org-mode を使うことができるが,コンパイルして高速に使うのが望ましい.
make を使えるようにする
GNU Make を入手する.
http://gnuwin32.sourceforge.net/packages/make.htm
もしくは,wgetなどのコマンドも含めたパッケージ(gnuwin32)も利用できる.
以下は gnuwin32 全体をインストールする場合(推奨)について.
GnuWin32のインストーラを入手
各種パッケージをダウンロード
GetGnuWin32\download.bat を実行すると,自動的に必要なパッケージがダウンロードされる.
200MB程度におよぶため結構時間がかかるので,お茶して待つ.
インストール(ローカルフォルダへ)
ダウンロードが完了したら,GetGnuWin32\install.bat を実行する.
各実行ファイルは,すべて GetGnuWin32\gnuwin32 以下に一時的に保存される.
好みの場所にコピーして環境変数を設定
- 実行ファイル群を含む gnuwin32 フォルダを,好みの場所に移す.例えば,C:\Users\hoge\env 以下に移すとする.
- 移動後,C:\Users\hoge\env\gnuwin32\update-links.bat を実行する
- 環境変数にコピー先のディレクトリ(c:\Users\hoge\env\gnuwin32\bin)を追加する.
システム変数から Path を選び編集する.
変数名 = Path 変数値 = %SystemRoot%\system32;%SystemRoot%;%SystemRoot%\System32\Wbem;c:\Users\hoge\env\gnuwin32\bin
また,Emacs のインストールディレクトリ(c:\Emacs\bin)も追加しておく.
変数名 = Path 変数値 = %SystemRoot%\system32;%SystemRoot%;%SystemRoot%\System32\Wbem;c:\Users\hoge\env\gnuwin32\bin;c:\Emacs\bin
設定を有効にするために,一度ログオフする.
make して org-mode をコンパイルする
1. cd C:\Users\hoge\env\emacs\org-mode 2. make
make install は不要.
コマンドプロンプトから make を発行して org-install.el でこける時は,git-bash 上で make を実行すると通る.
常に最新の状態にするには,
1. git pull 2. make clean 3. make
でよい.
org-mode を動かす
Dropbox と組み合せる
Dropbox と組み合せると次のようなメリットがある.
- org-mode のインストールやアップデートを windows でしなくてよい.
- .emacs などの環境ファイルが勝手に同期される(ただし自動的な相互同期な点に注意.DropboxよりSVN/GITでの管理がよりオススメ)
- Emacs で編集したすべてのファイルを他のシステムと自動的に同期できる.(例えばデスクトップで構築した環境をノートPCで再構成してすぐ使う)
- Org-mode の HTML エクスポートと Dropbox の公開リンクを使うと,ファイル保存からウェブ公開を一瞬で行える.
- MobileOrg を使って,Org の情報をモバイル端末で利用できるようになる.
- sdic/lookup で使う辞書データも同期できる
Dropbox のインストール
- アカウント(フリーで2GB)を作成する.http://db.tt/7wiZop5(このリンクからアカウント作成すると,基本容量が250MB増えます.また,管理人の最大容量もちょっと増えて幸せになります)
- インストールする.途中,「高度な設定」で同期フォルダを指定する.例えば,C:\Users\hoge\ を選択すると,C:\Users\hoge\Dropbox が作られる.
Emacs 関連のファイルをDropboxで同期対象とする
以下は設定の一例である.複数の環境で最適に同期が取れる設定は個々の環境に依存している.
- .emacs を Dropbox フォルダに移す.
- ハードリンクを生成する
fsutil hardlink create c:/Users/hoge/.emacs c:/Users/taka/Dropbox/.emacs
Linux の ln コマンドとファイルの並びが逆な点に注意
- org-mode をインストールした env フォルダも Dropbox フォルダに移す
- .emacs の load-path を書き換える
(setq load-path (append '("~/Dropbox/.emacs.d/" ; 自作の lisp や init.el などを入れる "~/Dropbox/env/emacs" ; auto-install で外部から取り寄せた lisp の保存先 "~/Dropbox/env/emacs/org-mode/lisp" ) load-path))
注意)env/gnuwin32 も移動しているので,update-links.bat を再実行し,環境変数の Path も書き換えることで作業完了となる.